ダンテ『新生』講義④〜愛<アモーレ>の次のターゲットは誰だ
ベアトリーチェへの恋心を隠すため、別の女性を好きだというフリをしていたダンテ。しかし彼女はフィレンツェから遠くの町へと引っ越すことになってしまった…。
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ベアトリーチェへの深すぎる愛ゆえに、この「隠れ蓑の女性」というワザを編み出していたダンテだが、この女性が居なくなってしまえば盾を失った兵士のようなもの、ベアトリーチェの神々しさをダイレクトに喰らってしまえば無事でいられる保証はない。
ダンテは狼狽した。そしてひとまず体裁を整えるために、隠れ蓑の女性がいなくなる寂しさを歌った…。
いや、もうここまできたら真っ正面からベアトリーチェと向き合ったらどうなんだ。
だが彼にはそうできない理由があった。そう、皆さんお馴染みの、いつもダンテに超人的なアドバイスをしてくれる、「アモーレ」が再び降臨するのである。
…隠れ蓑の女性を失ってしばらく経ったある日、ダンテは仕事の都合でこの女性の引っ越し先の町の近くを通りかかった。するとそこへアモーレが現れる。
何だか落ち着きない様子のアモーレ。どうやら何か話をしたいようだ…。
もう嫌な予感しかしない。私なら気づかないふりをして通り過ぎるところだが、彼を恋愛マスターと仰ぐダンテは親切にも耳を貸してしまう。
「隠れ蓑の女性が去って、さぞ不安なことだろう。そんなお前に朗報だ。新たにおまえの盾となる女性を見繕っておいた。フィレンツェに戻ったら彼女を好きだというフリをするのだ。いいか、くれぐれも偽物の愛だとは周囲の人に感づかれてはならないぞ。」
フィレンツェに戻ったダンテは、さっそくアモーレの選んだ女性を見つけ出し、無事新たな盾を得たのだった。
これが悲劇の引き金となるとも知らずに…。
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ベアトリーチェへの深すぎる愛ゆえに、この「隠れ蓑の女性」というワザを編み出していたダンテだが、この女性が居なくなってしまえば盾を失った兵士のようなもの、ベアトリーチェの神々しさをダイレクトに喰らってしまえば無事でいられる保証はない。
ダンテは狼狽した。そしてひとまず体裁を整えるために、隠れ蓑の女性がいなくなる寂しさを歌った…。
いや、もうここまできたら真っ正面からベアトリーチェと向き合ったらどうなんだ。
だが彼にはそうできない理由があった。そう、皆さんお馴染みの、いつもダンテに超人的なアドバイスをしてくれる、「アモーレ」が再び降臨するのである。
…隠れ蓑の女性を失ってしばらく経ったある日、ダンテは仕事の都合でこの女性の引っ越し先の町の近くを通りかかった。するとそこへアモーレが現れる。
何だか落ち着きない様子のアモーレ。どうやら何か話をしたいようだ…。
もう嫌な予感しかしない。私なら気づかないふりをして通り過ぎるところだが、彼を恋愛マスターと仰ぐダンテは親切にも耳を貸してしまう。
「隠れ蓑の女性が去って、さぞ不安なことだろう。そんなお前に朗報だ。新たにおまえの盾となる女性を見繕っておいた。フィレンツェに戻ったら彼女を好きだというフリをするのだ。いいか、くれぐれも偽物の愛だとは周囲の人に感づかれてはならないぞ。」
フィレンツェに戻ったダンテは、さっそくアモーレの選んだ女性を見つけ出し、無事新たな盾を得たのだった。
これが悲劇の引き金となるとも知らずに…。
フィレンツェのサンタ・マルゲリータ教会。ダンテが結婚した(もちろん相手はベアトリーチェではない)場所とされている。「ベアトリーチェの墓」という石碑も置かれているが、信憑性には欠けるという事で有名である。 |
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