ダンテ・アリギエーリについて

学生時代、「ダンテ・アリギエーリについて勉強しているんだけど」と言ったところ、「何が面白いんですか、あの人一発屋でしょ」と後輩から一蹴されて10年が経った。このことはよく考えれば『神曲』がそれほどまでの大作であるという証明にもなっているのだけれど(後輩は『神曲』のタイトルを口にしてはいない。言わずもがな、ということだ)、あの時の記憶は妙に頭に残っている。ダンテと「一発屋」という単語があまりにミスマッチで笑ったのだが、その頃から、実際ダンテの何がそんなに面白いのか、もっと多くの人とこの詩人についてアツく語りたいと思うようになった。

私は一愛好家に過ぎないから、まだまだダンテについて知らないことは山ほどあるが、やはりこの詩人は自分にとって特別な存在であり続けている。
仕事に疲れたときにはふと『神曲』のお気に入りの歌を眺めたり、『新生』を読みかえしたり、暇な休みにはギュスターヴ・ドレの挿絵を模写してみたりする。我ながら十分気持ち悪いと思うが、折角こんなに面白いので、ぜひとも広く普及させたい(要はダンテ仲間がほしい)と思い、自分の中でのダンテについての情報の整理の目的もかねてこのブログを開設することにした。

今は一時的にイタリアに住んでいるが、ここではダンテをテーマにしたイベントが星の数ほどあり驚かされる。ダンテの詩の朗読イベントはもちろん、ダンテの追放時代の足跡を辿るトレッキング企画とか、マニアック過ぎるものもあるが、こういうダンテ愛に溢れるこの国の空気はやはりいいなと思う。そういった情報も発信していけたら良いなと思っている。

写真は自作のダンテ柄の皿。ふちの部分には、地獄の門の台詞をあしらってみた。

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