ダンテとの出会い1

なぜダンテとその作品に興味を持ったのかというと、その元凶は大学時代の恩師にある。
高校時代から私は元々西洋かぶれなところがあり、そもそも大学ではアーサー王伝説について学びたいと考えていた。聖剣エクスカリバー、魔術師マーリン、円卓の騎士などという単語を聞いたらご飯が三杯は食べられるという具合だ。ちなみに最も好きな騎士はガウェインだ。話がそれるので止めよう。
ところがアーサー王研究をされている志望大学の教授が退官するということがわかり、その大学に進む事にぼんやり疑問を持ち始めた。モヤモヤと考えているうちに、当時アーサー王の次になんだか気になり始めていた、荘厳な建築や聖人たちの伝説、権謀術数うごめくカトリック世界、そんなものからやってくるイタリアの雰囲気を、もう少し深く味わってみたい気分になったのだった。カノッサの屈辱、アナーニ事件なんかも琴線に触れた。中二病らしく、もちろんジャンヌダルクなんかも気になっていた。しかしフランスではなく、ドイツでもなく、イタリアの中世というものが、どうも引っかかったのだ。
当時はダンテについては「ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョのうちの一人。神曲の人」程度にしか意識していなかった。けれど大学に入学して間もない頃の、新入生向けのイタリア文学の概論の授業で、まさに雷に打たれたのであった。

10年前切手を購入したらダンテ柄であったため、使用できずに今に至る。
 

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